ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルのリマスター版をプレイしてみて、現行のゲーム機で名作を楽しめるのは嬉しいポイントだと感じました。ただ、期待していた追加要素、特に新しいダンジョンの追加が微妙だったのは残念でした。ゲーム本編の難易度についても考慮が必要だと思います。DLCで購入できる装備、特に武器を使ってしまうと、ゲームがかなり簡単になってしまうため、アクションが苦手な初心者にはいいかもしれませんが、自信のあるプレイヤーには物足りなく感じるかもしれません。さらに、マルチプレイの部分では、初期バージョンにバグがあってオフラインの進行状況が壊れる可能性があるため、本編をまだクリアしていない人は修正パッチが出るまでマルチプレイの利用を控えた方が良いでしょう。こういった点を踏まえると、全体的には楽しめる要素もある一方で、不安定な部分も多いのが実情だと思います。

このゲームのリマスター版に関しては、少々苛立ちを覚える部分が多く感じられました。まず、グラフィックの仕上がりについてですが、確かに美しい面はあるものの、なんというか全体的に物足りなさを感じるのです。PS2のタイトルをPS4に移した時と感じる、無機質さや荒れたテクスチャーも気になって集中力が削がれます。また、アクションのテンポもやや遅めで、敵の動きが予想外であるため、戦略を立てるのにひと苦労。爽快感には欠けます。

それから、オンラインマルチプレイに特化してしまい、オフラインで集まって楽しむスタイルが根幹から失われてしまった点も残念です。元々のプレイスタイルを考慮しないと、仲間とわいわい楽しむアクションRPGという部分が全く活かされていません。ゲームキューブ時代の評判を聞いていたので、現代風のアレンジやNPCの導入などを期待していましたが、その点でも落胆せざるを得ませんでした。かつてのプレイヤーにとっては、プレイ当時の環境を思い出す良い機会と言えますが、期待していた分、何とも言えない気持ちが残ります。やはり、リマスターである以上、当時の良さを引き継いでほしかったものです。

「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター」をプレイしてみて、正直なところ、全体的な操作性には少々もっさり感を感じました。もう少しスピーディーで爽快感のある動きを期待していたのですが、それがちょっと残念でしたね。グラフィックに関しては、リマスター版としてのクオリティはまずまずだと思いますし、Nintendo Switchでのプレイにおいては十分楽しめる仕上がりと言えます。サウンド面では主題歌やBGMが素晴らしく、声優陣の豪華さも相まってとても良い印象を受けました。

ただ、このゲームはやはり一人で楽しむには限界がありますね。ネット環境が必要で、フレンドと一緒にプレイすることで真価を発揮するゲームだと感じましたので、ソロプレイヤーとしては少し物足りなさを感じてしまいました。マルチプレイが中心の作品であり、ソロプレイはおまけのような感じが否めないのが残念です。総じて、友人たちとワイワイ楽しむことができる環境があれば、きっとこの作品を存分に楽しめることでしょう。私自身も機会があれば、友人たちと一緒にプレイしてみたいと思っています。